探偵に依頼した浮気調査の費用は慰謝料とは別に請求が出来るか?実例を紹介

探偵に依頼した浮気調査の費用は慰謝料とは別に請求が出来るか?実例を紹介

浮気調査を依頼して、証拠を掴み慰謝料を取りたいとお考えの方も多いかと思いますが、浮気調査の費用も別途請求することができるのでしょうか?

依頼者が配偶者の不貞行為の事実を突き止める為に、探偵社や興信所等の調査会社に依頼し、撮影された映像や報告図書を証拠資料として裁判所に提出することがありますが、この場合において料金を払い依頼した側としては、当然それに掛かった費用も不貞行為と関係する損害として、慰謝料とは別に請求したいところだと思います。

実はこの調査費用の請求について、裁判所の処理の仕方は事案ごとによって様々なケースが存在しています。そこで今回は、様々な実例を紹介していきたいと思います。

1.【裁判例で解説】調査料金の請求が認められた判例

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(1)慰謝料算定の一事由とすべきであるとして70万円

東京地方裁判所平成16年8月31日の判決では、「この調査費用は、それ自体は本件不貞行為と相当因果関係がある損害と評価することはできないが、依頼人がそのような出費をしたことは、慰謝料算定の一事由とすべきである」としています。結果的には、当初請求額の500万円に対し、70万円が認められました。

(2)不貞行為の存在を立証するための調査として必要性があったと認められる

東京地方裁判所平成20年12月26日の判決では「依頼人が自らの判断により、多額の調査費用を支出した場合、その全てがただちに愛人の不法行為に起因する依頼人の損害となるというのは不合理というべきであって、通常必要とされる調査費用の限度で愛人の不法行為と相当因果関係のある損害となると認めるのが相当である」としています。

結果的には当初500万円の請求額に対し、100万円を損害と認めるのが相当とされました。裁判所は「依頼人としては、愛人の氏名が本名かどうかも分からず、その素性も明らかでなかったことから、これを明らかにするために探偵社に調査を依頼したものであり、その調査により、愛人と配偶者が一緒に旅行した際の状況や、愛人宅に配偶者が一晩滞在した際の状況などが明らかになったものであって、かかる調査は、愛人による不貞行為の存在を立証するための調査として必要性のあったことは明らかというべきである」とあります。

(3)不貞関係を否定されたため、興信所に依頼する必要性があった

岡山地方裁判所倉敷支部平成17年12月13日の判決では「愛人が依頼人から配偶者との関係を問いただされた際、愛人は不貞関係を否定した上で、その後も不貞関係は継続していた。興信所が作成した報告書は、反社会的な手段を用いて人格権等の侵害を伴う方法によって採集されたものとまでは認められないから、証拠能力を有する」とし、調査費用252万円のうち100万円の限度で相当因果関係を認める。請求額は500万円に対して認容額は150万円となった。

(4)探偵社に支払った調査費用と弁護士費用も認められたケース

東京地方裁判所平成21年3月25日の判決では「別居する前から不貞関係を続け、ある日一方的に別居して離婚が成立していないにも関わらず愛人と同居し重婚的内縁関係に入り、愛人が配偶者の子を出産したというものであって、配偶者に捨てられた形となった依頼人が被った精神的苦痛は極めて大きいといわざるを得ない。

また依頼人は不貞行為の調査の為、調査料金として142万8千円を支払っていること、及び依頼した弁護士に対する着手金として42万円を支払っていることが認められ、弁護士報酬の支出も必要になると認められるところ、これらの費用の全額が直ちに不法行為による損害と認められるものではないが、不法行為と相当因果関係があると認められる限度において損害と評価すべきは当然である。

こういった費用も勘案して慰謝料の額を算出するのが相当である」とし、配偶者と愛人の共同不法行為たる不貞行為による慰謝料として請求額700万円に対して400万円が相当とされました。

(5)不貞行為を立証することが探偵社に依頼しないと不可能であった

東京地方裁判所平成22年7月28日の判決では「依頼人が探偵社に支払った16万9290円の調査費用について検討するに、この調査がなければ愛人による不貞行為を立証することは事実上不可能であったと認められるし、その額も相当であるから、相当因果関係を認めるのが相当である」としました。

(6)探偵業者に対する調査費用の大半が認められたケース

東京地方裁判所平成23年12月28日の判決で、探偵業者へ支払った費用157万5千円のうち100万円を相当因果関係ある損害と認定し、弁護士費用として25万円、慰謝料として150万円の計275万円の請求を認容した事案がありました。

2.【裁判例で解説】調査料金の請求が否認された判例

ストレス

(1)調査するまでも無く本人が認めていた

東京地方裁判所平成22年2月23日の判決では「愛人は、当初から本件長sあの範囲外の時期における不貞行為の事実を認めており、本件調査が本件訴訟の立証に寄与した程度は低いものと言わざるを得ないことを考慮すれば、依頼人が負担した上記調査費用100万円は、不法行為と相当因果関係のある損害として認めることはできない」としました。

詳細としては、依頼人が調査会社に合計6日間の調査を100万円を支払い依頼し、ラブホテルへ入ったことが明らかになりました。依頼人は本件調査に要した100万円が不法行為と相当因果関係のある損害と主張するも、配偶者が深夜に帰宅することが多くなった過去に配偶者の女性関係を問いただしたことがあったことをうかがわせる事情はなく、本件調査が本件訴訟において愛人は当初から本件調査の範囲外の時期における不貞行為の事実を認めており、本件調査が本件訴訟の立証に寄与した程度は低いものといわざるを得ないことを考慮すれば、依頼人が負担した調査費用は、愛人の不法行為と相当因果関係のある損害としてみとめることはできない。とあります。

(2)SNSの書き込みで事前に把握できていた

SNS

東京地方裁判所平成22年12月21日の判決では、「依頼人は、妻の男性との密会の様子についてのSNSの書き込みの存在を認識していたというのであるから、依頼人が探偵社に行動調査を依頼せざるを得なかったということは出来ず、その調査の必要性、相当性を認めることは出来ない」と判示した。

詳細としては、依頼人が妻が男性との密会の様子についてSNSの書き込みを発見し、調査会社に315万円を支払い証拠を集めた。依頼人が調査報告書を示して愛人男性との関係を問いただしたところ、密会していたことなどを認めた。依頼人はSNSの書き込みの存在を認識していたというのであるから、調査会社に調査を依頼せざるを得なかったということは出来ず、その調査の必要性及び相当性を認めることは出来ないとなりました。

(3)夫婦関係が実質破綻しており、虚偽の内容を信じて交際していた

東京地方裁判所平成21年11月26日の判決では「依頼人が行動調査を依頼した調査会社へ支払った費用も損害であるとの主張をするが、かかる調査費用は不貞と相当因果関係にある通常損害とまでは認めがたい」としました。

詳細としましては、「夫婦間において、互いに関係を維持すべく協力する姿勢が薄かったことがうかがわれるので、夫婦が破綻に至った原因としては、かかる夫婦の在り方にも問題があったものと認めるのが相当である。また不貞に至った原因としては、愛人が配偶者から夫婦関係について虚実をないまぜにしたもっともらしい説明いを受けたことが原因であり、愛人がかかる説明を信じたとしてもやむを得なかったような事情も窺える。

これらの事情に加え、夫婦の破綻に至るまでの婚姻期間(約6年半)、不貞期間(約1年。ただし、不貞関係の開始から夫婦が破綻に至るまでの期間は約6ヶ月)等の諸般の事情に鑑み、本件において愛人が依頼人に支払うべき慰謝料の額としては30万円をもって相当と認める。(弁護士費用は3万円)依頼人は配偶者の行動調査を依頼した調査会社へ支払った費用も損害であるとの主張をするが、かかる調査費用は、不貞と相当因果関係にある通常損害とまでは認めがたい」とあります。

3.調査料金が一部認められたケース

(1)探偵に依頼することが必要かつ相当な行為であると認められる

東京地方裁判所平成23年12月28日は、依頼人が調査費用として調査会社に対して157万5000円を支払ったという事案において、その一部を損害として認めました。

「依頼人がその立証のために探偵業社に調査を依頼することは、必要かつ相当な行為であったと認められ、本件訴訟においても、上記調査報告書は、配偶者が自白に転じなければ、不貞行為を立証する上で最も重要な証拠であったといえるほか、同不貞行為が行われた各日における配偶者の手帳の愛人との記載と相まって他の不貞行為においても一応有益であったといえる。したがって、依頼人が支出した上記調査料金のうち100万円を、上記不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。」とあります。

(2)専門性が高い調査とは言えないが金額的に相当程度であると認められる

東京地方裁判所平成25年5月30日も、依頼人が調査費用として調査会社に対して支払った207万9000円を愛人に対して請求した事案につき「上記調査内容は、愛人や配偶者を尾行することにより配偶者の行動を調査し、書面(写真を含む)により、依頼人に報告するというものであり、それほど専門性の高い調査とまではいえないことに鑑みると、上記調査費用のうち、10万円について、不法行為いと相当因果関係のある損害と認めるのが相当である」と判示されました。

まとめ

探偵社や興信所に依頼した調査費用が認められたケースを紹介してきましたが、全てにおいて共通していることは、その全額を認められることはほとんど無いということです。

今回挙げた裁判例は,個別の事案に応じて,調査の必要性及び金額の相当性,当該調査結果が不貞行為の立証にどの程度寄与したかなどの事情を総合して,相当因果関係の有無を判断しているようです。わかりやすく言うと、調査をしなければ確実にその不貞行為が明らかになることはなかったか?それ以外の情報により証明できた可能性がなかったのかを重視しています。

不貞行為の立証に必要であったか否か等により、その請求の可否が決まり(必要性)、仮に請求ができるとしても、それは相当な額に制限される(相当性)という点を覚えておいてください。

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