探偵社には日々様々な調査依頼がありますが、もっとも依頼が多いのは浮気調査です。浮気調査をする調査員はリアルタイムで対象者の行動を記録して浮気の証拠を撮影する事が仕事ですが、対象者は必ずしも撮影しやすい環境で行動してくれるわけではありません。
通常、調査員はハンディカムで撮影をしていますが、調査の状況によって特殊なカメラで撮影をする事があります。裁判資料にもなる不貞行為の証拠を撮る際も悪条件が揃い撮影困難なシチュエーションの場合、特殊な撮影方法を選ぶこともします。事前調査や浮気相手の素性を調査する際にもお店や会社に潜入する必要があれば特殊なカメラでの撮影を行います。
浮気調査は情報の積み重ねで進めて行くものなので、撮影チャンスは逃さないよう対応できる準備をしています。
1.プロの探偵はどんなカメラで浮気の証拠を撮っているの?
(1)デジタルカメラ(静止画)の場合
ペン型カメラ
小型カメラの代表的な物で一般ユーザーでもパワハラ対策等で活躍しています。
スーツ着用での調査等で使用します。キャップの部分にカメラが内臓されていて、爪の部分にスイッチのあるパターンが多いかと思います。
スイッチを押す際に不自然にならない事がポイントです。
眼鏡型カメラ
自分の視野で撮影でき常に装着して行動できる点はアイテムとしては便利です。
技術革新は進んでいますが、フレーム部分のレンズが目立つ物もあり、使用する場合は慎重に研究し、実践投入する必要があります。
眉間の部分にカメラが設置されているものが主流であり、上手く使えればラブホテルに入る瞬間の決定的な部分が撮影できます。
腕時計型カメラ
常に装着していられる点で、定番の隠しカメラとして種類も豊富に揃っています。カメラの位置は盤面に隠された物が多いです。使用方法は慣れが必要です。盤面を自然に対象者に合わせ続ける姿は、訓練しないと挙動不審になり隠しカメラの意味がなくなります。
ライター型カメラ
100円ライター型からジッポライター型まであります。底にカメラがあり、着火の方式でスイッチを入れますが、実際に火を付けられる物もあります。
店舗等で便利ですが、撮影範囲を理解しつ使用しないど撮影チャンスを逃します。
生活雑貨型
小型カメラになれば、様々な物にカメラを仕込む事ができます。キーホルダー型やフリスクのケースに仕込む物もあり、調査状況に使いこなす事が大事です。
(2)ビデオカメラ(動画)の場合
暗視ビデオカメラ
浮気調査で証拠となる不貞の現場を撮る際、暗闇での撮影になる事が多々あります。車内での不貞行為等でありますが、人の乗り降りを撮影する際は専用の暗視カメラや暗視スコープを活用する事があります。
カーセックス案件は暗闇の駐車場で行われることが多いため、接近することが難しいですが、暗視カメラと望遠ズームを使用しつつ、編集での映像の明瞭化と合わせることで、暗闇での撮影でも明瞭な映像とすることができます。
望遠ビデオカメラ
市販のハンディカメラでもズームすれば、遠方の対象者や建物は撮影出来ますが、ハンディカムに超望遠レンズを装着して撮影した例もあります。近寄れない特殊な場所に対象者が勤務している等のケースでは遠方からの撮影を余儀なくされます。
どうしても市販のハンディカメラは、ズームし過ぎた場合にいおいてデジタルズームという機能を使うことになるのですが、その場合、画質が非常に劣化してしまうので、望遠レンズを利用した方が遠方の撮影には向いています。
防水ビデオカメラ
調査時の豪雨や、カメラセッティング時の水溜まり等は撮影に大きなロスをあたえます。バッテリー一体型の防水ビデオカメラは比較的、市販のもので対応でき調査車両等に積んでおくと役にたちます。
また、防水機能がありバッテリー内蔵型のカメラには、wifi機能が付いているものが多いので、近くにある木や柵にとりつけ、良いアングルの撮影を行いつつ、スマホで遠隔で確認して張り込むという方法もとります。
ピンホールレンズ付きカメラ
動画撮影が可能なカメラの先端部分にピンホールレンズという先端部分が小さいレンズをとりつけたカメラです。口径が3ミリ程度なので、バイクのヘルメット用ボックスに同程度の穴を開け、そこに入れた状態で録画します。
張り込みができない場所で、どうしても撮影が必要な不貞現場で使用することが多いです。
アクションビデオカメラ
対象者がロードバイクやオートバイでの移動になると手持ちのカメラでの撮影は困難です。ヘルメットに専用の設置器具を付けておけば比較的簡単に脱着が可能性です。カメラのサイズも小型で目立たない物が多いです。
先ほどの防水カメラと同種類のものが多く、同じく防水機能があったりwifi機能がついていたりもします。
代表的なのはgoproです。画像品質も高くバッテリーも内蔵されており、これからの浮気調査において多用されるカメラとなります。
ドローン空撮
撮影許可等、課題の多い撮影方法であり、現在市販されているドローンはほとんどの場所で飛ばすことができません。また、ドローンの一番の問題点は”音”がうるさく目立ってしまうという点です。
しかし200g未満の小型機種であれば飛ばすことが可能であり音も小さいため、浮気調査で活躍します。ドローンに内蔵しているカメラは4Kという非常に高品質な映像が撮れるカメラであり、非常に調査に向いているものの、課題なのはズームが不可能であるという点です。
しかし、自動追跡機能がついたドローンによる自動尾行や、張り込みが難しいローカルエリアでの張り込みや撮影など、近い未来に大きな力を発揮するであろう機械です。
恐らく10年以内には、浮気調査は人間が行うのではなく、空に飛んでいるドローンが全て行う時代がくるでしょう。
2.素人が自分で撮る場合の気を付けるポイントは?
不貞行為の証拠を撮る作業で、ミスやトラブルはプロの調査員でも起こりうる事です。集中しすぎても周囲が見えず撮影がばれる事態になりますし、慎重になりすぎてもチャンスを逃してしまいます。
まず、人物が動いている姿をしっかり映像で追えるかです。個人での調査を諦めた後でも、浮気相手の顔や体形、服装の好みがわかれば充分な情報になります。次に、自分と対象者のいる位置や建物の構造をよく見ておく事も大事です。
あと、一番難しいのはピントを素早く合わせることが出来るか?という点です。この部分こそ毎日カメラを使用している人と、いきなり使用する人では大きく違ってきます。大事なことはカメラの癖を知っておくことです。
姿を隠せる場所や対象者の通るルートが把握出来ないと撮影が続けられなくなります。技術や角度といったカメラを中心に撮影するのでなく、撮影者の安全を中心に挑んだ方が無難です対象者は通常の精神状態では無いのでどういった行動をしだすかわかりません。
逃走経路は必ず確保して下さい。
まとめ
調査員はグループで調査を行う事が多いですが、基本的には個人の役目に集中して作業をしています。皆が同じ装備品を持って調査にあたっている訳でなく、自分で選らんだアイテムを使い状況に対応します。色々なツールを持っている調査員もいれば、カメラのみでフットワークの軽い調査員もいます。
浮気調査は結果がでないと、積み重ねてきた仕事が全て無駄と判断されるため、生き残るための技術や機材をフルに活用しなければいけません。担当した案件の対象者がどういった行動をするか予測し対応するための用意を自分で考え調査にあたります。紹介したアイテムが全ての浮気調査に使用される物ではありませんが、準備が成功への近道です。