探偵社や興信所がやっている家出人・失踪人の捜索方法【家宅捜索編】

探偵社や興信所がやっている家出人・失踪人の捜索方法【家宅捜索編】

探偵や興信所が家出人・失踪人を捜索する場合の、具体的な調査方法については一般的にほとんど知られていないのが実情です。それは何十年もかけて蓄積されたノウハウの為、外部に知れ渡ることがなく、その上積極的に情報公開しているわけでも無いからといえます。

しかし、もし自分の愛する家族や知り合いが突然姿を消した場合において、どのように捜索してくれるのか?というのはとても知りたい部分ではないでしょうか?

そこで今回は、実際の探偵社や興信所がやっている、人を探すための捜索方法の中でも、最も重要といえる【家宅捜索】について解説していきたいと思います。

1.まずは家出人・失踪人の住居を調査【家宅捜索】

家宅捜索

家宅調査とは家宅捜索とも言われており、文字通り家出人・失踪人が居住していたところを調査します。

これが捜索する上で一番重要であり、この調査結果によって発見率は大幅に変化します。だからこそ、この調査においては、いかに残されたヒントを見逃さないようにするかにかかってきます。

何かを示すメモはないか?パソコンの利用履歴の中に不審な点はないか?本棚に並んでいる本から分かる趣味嗜好は?など、くまなく捜索し、家出人・失踪人の手がかりになるものを探ります。

主に確認するのは以下のポイントです。

  • 本棚にある本や雑誌(思考や思想などの傾向)
  • パソコンの中身(検索履歴など)
  • 服飾類(何日分を持ち出しているかや特徴)
  • 日記など(悩みごとや憧れていることなどは無かったか?)

2.家出人・失踪人の家宅捜索の際に探偵が気をつけるべき点とは

注意点

①家宅調査に伺う時間は厳守

ただでさえ大切な身内がいなくなっているという精神的に不安定な状況の中で、これから信頼関係を持って捜索しようとする探偵が時間に遅れることなどあってはなりません。指示された時間の10分前には必ず着いているようにします。

現場から急行する場合で指定の時間に間に合わない場合であっても、必ず御依頼者にその旨の連絡を入れ、ちょっとした事で依頼者の信用を損なわないようにします。

捜索には依頼する側の最大限の協力も必要になってきますので、時間は厳守します。

②服装は基本的にスーツなどの正装

服装は原則スーツです。ただし近隣の目などの理由で依頼者の希望により私服の場合もあります。依頼する方によっては自分の身内が失踪していることを知られたくないという方も多くいらっしゃいますので、伺う前には指示を仰ぐようにしています。

現場から直行する場合であれば早く到着することを優先します。事前に訪問の時間、方法などを話し合っておきます。

また、付近の様子を確認し、失踪人が生活していた環境を把握しておくことも、プロファイリングしていく上で大切になってきます。

③訪問する際の移動手段を事前に伝えておき近隣住民に対する配慮を

車で依頼者宅に出向く場合は予め依頼者に確認して、所定の場所に駐車するか近隣の駐車場を利用し徒歩で訪問します。

タクシーの場合は依頼者宅付近での降車を避け、出来るだけ近隣住民からの視線に配慮します。

3.家出人・失踪人宅への訪問時の挨拶

「調査会社の○○です。家宅調査で伺いました」と伝えるものの、近隣には知られないように静かに話します。

「ご依頼の時に伺ったお話を重複して伺いますがご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い致します。」

殆どの場合、最初に対応した相談員に話した内容を改めて聞く事になりますが、後々のトラブル回避の為、予め認識をして頂く説明をしておきます。必ずあとで同じ内容を聞き返す必要が無いように、しっかりとメモやレコーダーによる録音をしておきます。

4.家出人・失踪人の部屋の調査方法

探偵社や興信所がやっている家出人・失踪人の捜索方法【家宅捜索編】

①見る事が出来る物は全て見る

引き出し、押入れ、手帳、ゴミ箱、郵便物、本棚、パソコン、携帯電話(過去の物も)など

②部屋の状況も確認しておく

きちんと整理されている場合には計画的だと判断出来ますし、慌てて出て行き散らかっている様子なら突発的で無計画であると判断出来ます。

5.家出人・失踪人の依頼者への対応、接し方、心構え

ネガティブ、否定的な言葉は絶対に使わない

依頼者感情を逆なでさせかねない。余計に不安にさせてしまいます。

『100%』『絶対』という言葉は絶対に使わない

過度な期待をさせる。後のトラブルになる可能性もあります。

依頼者の気持ちを察して同じ気持で接する

依頼者にとって強い味方になります。

うつ病などの精神的な病を抱えている場合も想定する

家出には家庭環境に問題があり悩みを多く抱えているケースが多い。

希望を持たせる言葉は必ず言う

対象者を発見し帰ってきてからどうするのか? どうしたいのか?

依頼者の意向にそって調査を行う

調査員の自己満足にならない様に注意します

調査に御依頼者を参加させないようにする

調査上、御依頼者を調査に参加させてしまうとトラブルの元になることが多いので、その希望があったとしても説明してお断りします。

早期解決の可能性があると判断した場合には御依頼者の参加も検討

ケースによっては依頼者に参加させたほうが早期解決できると判断した場合は支障のない範囲で参加してもらいます。

6.家出人・失踪人捜索における依頼者への取材方法

取材

ICレコーダーで取材内容を録音

正確な指示書の作成に役立ちます。又、会話を全てメモすることは難しい上、重要なヒントを聞き逃す可能性があるので、しっかりと録音しておきます。

家出人の個人情報の確認

契約時の依頼書内容と重複しますが、確認が取れる場合は行います。

失踪までの流れ、考えられる要因、失踪理由

その後の家族以外の取材によっては食い違う場合もあり得るため、身内が考える失踪理由を出来るだけ細かく聞いておきます。

様子がおかしくなったり、これまで変わったことがあったか

失踪・家出前の様子を思い出してもらい、様子がおかしかったり変わったことがなかったか?出来るだけ細かい点でも良いので聞き出します。その際、時期やどんな感じだったか、原因は何か?を聞いてみます。

対象者の特徴、癖、性格、趣味嗜好、所有物

どんな人物像か?プロファイリングする為に聞きます。

立ち寄り先

よく行っていた場所や店舗。後に取材対象となります。

仕事関係

営業の仕事で営業先の人と接する事が多い場合、そこから選定場所を絞ることが出来ます。

帰宅時間

後の同僚などへの取材によって、仕事が終わり直帰していたかどこかに寄っていたか推測出来ます。

交友関係

連絡先がわかる場合は確認しておきます。友人への取材から居場所が判明出来る可能性があります。

失踪前の対象者の行動、発言

いつもと変わった行動はなかったか。失踪や行き先に繋がる発言はなかったか?

失踪後の連絡の有無

携帯電話、公衆電話、PCメール、携帯メール、非通知、時間帯、周囲から聞こえて来る音などの詳細。

PC、携帯電話に関するパスワード、キーワード、IDなど

ロックが掛かっている場合が多いです。

第三者の存在の確認

一緒に行動している可能性があります。

7.家出・失踪に第三者(交際相手など)が関わっている可能性のある場合

家出・失踪に第三者(交際している相手など)の関わりの可能性がある場合には、名前・年齢・特徴・住所・勤務先・出身校・仕事内容・出会った時期・SNSなどのネームやIDなどを可能な限り聞き出します。

若年齢層にはLINE、インスタグラム、オンラインゲーム、ツイッターなどで知り合うケースが非常に多いです。その場合アカウント名などのキーワードも重要となります。

失踪に関係があると思われる第三者が依頼者と面識がある場合には、その印象・身なり・特徴などを依頼者より聞き出し、第三者の存在を追う事で発見に繋がります。

その第三者の面(写メや写真など)はあるか?も依頼者に確認します。

8.家出・失踪人が使用していたPCに関する取り扱いのお願い

パソコン

PCを調査対象とする場合には必ず説明をし、内部情報を確認することを理解してもらいます。

PCは個人情報の固まりであり、他人に知られたくない情報が多く集まっています。パスワードの解析やメールのチェックなどによって家出人にPCを見た事は確実にばれます。

完全に失踪の準備をしていた場合データは全て消去されている場合もあります。

PCを調査対象とする場合は『いかなる状態になっても全責任は依頼者が持つという同意』と『100%情報が得られる約束は無いという理解』を必ず取ります。もし、同意と理解が得られない場合のPC調査を行うべきではありません。

ただしその場合は、調査範囲が狭まってしまう可能性がある事も合わせて伝えておく必要があります。

9.家出人・失踪人や依頼者のキャラクターを把握しておく

依頼者から聞く話と周囲から聞こえて来る話が異なってくる可能性があります。

家出人の良い事しか言わず悪い事は言わない場合もあります。親と嫁などとの関係が家での原因である場合もあります。

依頼者のキャラクターを把握しておくことで今後の調査、連絡、報告などの場でコミュニケーションを取り易くする事に繋がります。

10.依頼者との連絡の確認

家宅調査以降、調査上に置いて依頼者と連絡を取る事があります。連絡の取れる連絡先、時間帯を確認しておく必要があります。

特に家出・失踪人が発見された場合において、探偵がその場で確保しようと思っても逃げられてしまった場合に、強引に確保することは法律上不可能です。だからこそ、すぐに依頼者に来てもらい家出・失踪人を引き渡す必要があるので、すぐに連絡がつくようしなければいけません。

11.家出人・失踪人の家宅捜索終了

取材が終わり退室する際に調査に必要な対象者の所有物は、依頼者様の同意を得て全て持ち帰ります。

それを元に再度社内にて捜索会議を行っていきます。様々な人間がいろいろな角度で遺留物を確認することで、発見に繋がるヒントが見つかる可能性が高くなるのです。

12.家出人・失踪人をプロファイリング

プロファイル

家宅調査、依頼者からの取材で得た情報に基づき家出人をプロファイリングして人物像を固めて行きます。

正確なプロファイリングを行うには、取材を進めていく過程で新たに得られた情報があった場合は的確に人物像を変えて行く事も必要になって来ます。時には依頼者に再確認する必要もあります。

常に家出人の情報を更新し、把握しておく事が重要になります。また、新しい情報が入った場合においては、情報を常にアップグレードして共有します。

13.家出人・失踪人に関する情報を調査員同士で共有

会議指示書と言われる調査情報を記載した資料を作成します。全ての調査は指示書に基づいており正確な指示書は早期解決に最も有効です。

重要な点としては以下の3点です。

  1. 調査の過程で今後の調査に大きく関わる情報が得られた場合には、直ちに指示書に反映させ、調査部内で情報を共有させます。
  2. 可能性があるが不確かな情報の場合は、条件付きを明記して必ず指示書に公開しておき、その結果が出た段階で改めて修正をしておきます。
  3. 調査には重要な情報で指示書に有っても、報告書には反映できない内容もあるので、その際には調査員のコメントとして注意書きをしておきます。

(例)依頼者に居住先を知られたく無い、協力はしたいが関わりたくない、依頼者には知らせない方が良いと思える事、など

指示書の情報は報告書に反映される内容であるため、誤報や不正確な情報は絶対に載せてはいけません。

(掲載NG)事実と異なる情報、誤報、不正確な情報、調査員の主観、予想、思い込みによる情報、湾曲した情報、など

まとめ

探偵や興信所による家出・失踪人の捜索において、初期段階の調査である「家宅捜索」にフォーカスして詳しく記載してみました。

捜索をしていく上で、段階ごとに詳しくやることや気をつけるべきポイントが存在していることを理解していただけたのではないでしょうか?失踪・家出人の発見の為に最も重要な作業こそが、今回紹介した家宅捜索になります。

非常に緻密に、かつ慎重に調査を進めていくからこそ、早期発見に繋がっていくのです。家宅捜索を行った後の捜索方法である【聞き込み】については以下の記事を参考にしてみてください。

参考:探偵が家出人・失踪人を捜索する際に実施する聞き込み方法とは